競輪の返還金はいつ戻る?落車では返ってこない理由と特払い70円の仕組み

競輪の返還金の判定基準とスタートから25m線までのタイムライン

買った車券のレースで落車があった。あるいはレースが中止になった。こんなとき、お金は戻ってくるのでしょうか。

結論から言うと、落車や失格では原則として返還されません。「事故なんだから返してもらえるだろう」と思いがちですが、競輪ではスタート後に起きたことは返還の対象外というのが基本ルールです。

一方で、レース自体が成立しなかった場合は全額戻ります。この線引きがどこにあるのかを、この記事で整理します。あわせて、返還と混同されやすい「特払い」についても説明します。

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まず「払戻金」と「返還金」は別物です

用語を整理しておきます。

  • 払戻金:車券が的中したときに受け取る配当
  • 返還金:レースが成立しなかったときに戻ってくる購入代金

この記事で扱うのは後者です。当たったときの受け取り方については「ウィンチケットの払い戻しのやり方」という記事で解説しています。

もうひとつ、この記事に何度か出てくる賭式(としき)という言葉も先に説明しておきます。これは車券の種類のことで、2車単・3連単・ワイドといった買い方の区分を指します。「その賭式が成立しない」という言い方をした場合、たとえば「3連単だけが成立しなくなる」という意味になります。

返還されるかどうかは「いつ起きたか」で決まる

競輪の返還金の判定基準とスタートから25m線までのタイムライン

境目になるのは、正規のスタートが切られたかどうかです。

発走前なら返還される

レースが始まる前に選手が欠場したり、出走が取り消されたりした場合は、その選手の車券が返還されます。レースそのものが中止になれば全額です。

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スタート後の落車・失格は原則返還されない

号砲が鳴って正規にスタートが切られたあとの出来事は、返還の対象になりません。

ボートレースのフライングのように「スタート自体が無効」となるケースとは異なり、競輪の落車や失格はレースが正しく始まったうえで起きた出来事として扱われます。そのため、購入代金は戻りません。

軸にしていた選手が落車して車券が紙くずになる。競輪をやっていれば必ず経験することですが、これは制度上そういうものだと理解しておくしかありません。

例外:25m線に到達する前の落車

ただし例外があります。スタート後、25m線に到達するまでに落車・負傷して再発走できなくなった場合は、返還の対象になります。

25m線というのは、その名のとおりスタートラインから25メートル先の地点のことです。競輪のレースは2,000m前後を走るので、全体から見ればごくわずかな距離です。自転車が動き出して数秒といったところでしょうか。

スタート直後のこの区間だけは、まだレースが本格的に始まっていないという扱いになります。逆に言えば、ここを過ぎてしまえば、あとはどこで落車しても返還されません

落車したら必ず失格、というわけでもありません

補足しておくと、落車と失格は別のものです。

落車しても、再び自転車に乗って走り続ければ着順はつきます。また、他の選手の走行が原因で落車した場合、失格になるのは原因を作った側です。

車券がどうなるかは最終的な着順と審議の結果で決まるので、レース直後にすぐ確定しないこともあります。

全額が返還されるケース

レース自体が成立しなかった場合は、その賭式の車券が全額返還されます。

レース中止

悪天候や事故などでレースが実施されなかった場合です。

レース不成立

レースは行われたものの、競走として成立しなかった場合です。主に次のようなケースがあります。

  • 完走者がいなかった
  • 悪天候や天災でレースの続行が不可能になった
  • 周回の誤通告・通告漏れがあった
  • 走路上に動物などが入り、重大な妨害が生じた

3つ目の「周回の誤通告」について補足します。競輪では残り周回を選手に知らせるため、打鐘(じゃん)という鐘を鳴らします。この合図が間違っていたり鳴らされなかったりすると、選手は自分があと何周走るのか分からなくなり、レースとして成立しなくなります。

実際に起きた例もあります。2017年のオールスター競輪で、周回数の通告に誤りがあってレースが不成立になったケースが知られています。

賭式が成立しなくなった

失格者が多数出て、その賭式が成り立たなくなった場合です。たとえば車券の対象となる着順が確定できないようなケースが該当します。

先頭誘導員が選手を落車させた

レース序盤の風よけ役を務める先頭誘導員(せんとうゆうどういん)が原因で選手が落車した場合も、返還の対象になります。

選手が欠場したときは、その車券だけ返還

選手が欠場・出走取消になった場合、その車番を含む車券だけが返還されます。

レース自体は残った選手で行われるので、欠場した選手を含まない車券はそのまま有効です。

たとえば3番車が欠場した場合、「3」を含む買い目は返還され、それ以外の買い目は通常どおり勝負が続きます。

「特払い」とは?返還とは別のものです

返還と特払いの違いとWINTICKETでの返還金の戻り方

返還と混同されやすいのが特払い(とくばらい)です。これは返還ではなく、払戻の一種になります。

的中者が1人もいなかったときの仕組み

ある賭式で的中者が1人も出なかった場合、その賭式を買った全員に対して払い戻しが行われます。金額は一般的に100円につき70円です。

なぜ70円なのか

競輪では売上の75%を払戻にあてる決まりがありますが、払戻金は10円未満が切り捨てになります。そのため75円のうち5円が切り捨てられ、70円になるという仕組みです。

損得の話をすると

ここは誤解しないでいただきたいのですが、特払いは得ではありません

100円で買った車券が70円になって戻ってくるので、差し引き30円のマイナスです。「外れたのに戻ってきた」と考えれば救いはありますが、返還のように全額が戻るわけではありません。

返還 特払い
発生する条件 レースが成立しなかった 的中者が1人もいなかった
戻る金額 買った金額の全額 100円につき一般的に70円
損得 なし 30円のマイナス

WINTICKETでは返還金がどこに戻るのか

ここが実務的に大事なところです。

WINTICKETの公式ヘルプでは、中止や選手欠場の場合について「対象の投票分を全額ポイント返還いたします」と案内されています。

つまり、返還金はWINTICKETのポイントとして戻ります。そのまま次の投票に使えます。

銀行口座には自動で戻りません

現金として受け取りたい場合は、別途精算の手続きが必要です。返還されただけでは口座に振り込まれないので、そこは注意してください。

なお、精算は手数料無料で回数制限もありませんが、部分的な出金はできません。手続きすると、そのとき残っている払戻金が全額精算されます。

返還されたかどうかを確認する方法

マイページの「投票履歴」から確認できます。投票したレースの照会画面でも、返還の有無が分かります。

金額が合わないと感じたときは、まず投票履歴を見てみてください。

いつ反映されるのか

正直にお伝えすると、返還が反映されるまでの時間について、公式に明確な案内は見つかりませんでした

中止や欠場が確定した時点で処理されるため、レースの確定を待つ形になります。すぐに残高へ反映されていない場合でも、しばらく時間をおいてから投票履歴を確認してみてください。それでも反映されない場合は、カスタマーサポートへ問い合わせるのが確実です。

よくある質問

雨で中止になった場合は返ってきますか?

レースが実施されなかった場合は返還されます。ただし、開催そのものが順延・打ち切りになった場合の細かい取り扱いは、施行者ごとの規程によります。WINTICKETでは「中止・欠場は全額ポイント返還」と案内されています。

落車が多発して数人しか完走しなかった場合は?

完走者がいない場合はレース不成立となり返還されます。また、失格者が多く出てその賭式が成立しなくなった場合も返還の対象です。ただし、通常どおり着順が確定すれば返還はありません。

返還金にも期限はありますか?

WINTICKETのポイントとして戻るため、ポイントの有効期限に従うことになります。

払戻口座を登録していない場合はどうなりますか?

WINTICKETの案内では、払戻口座が未登録の場合、払戻金が生じた日から30日後にWINTICKETポイントへ自動でチャージされるとされています。

まとめ

競輪の返還金について、要点をまとめます。

  1. 落車・失格は原則として返還されない。正規にスタートが切られた後の出来事のため
  2. 例外は、25m線に到達する前の落車、賭式の不成立、先頭誘導員による落車、周回の誤通告など
  3. レース中止・レース不成立の場合は全額返還
  4. 選手の欠場・出走取消では、その車番を含む車券だけが返還される
  5. 特払いは返還ではない。的中者ゼロのときに100円につき一般的に70円が戻る仕組みで、30円は損になる
  6. WINTICKETではポイントとして返還される。現金化には別途精算の手続きが必要

軸の選手が落車したときのやるせなさは、競輪をやっていれば誰もが経験するところです。制度としてそうなっていると知っておくだけでも、次のレースへの切り替えが少しは楽になるかもしれません。

公営競技はギャンブルです。無理のない範囲で楽しんでください。