競輪という競技が日本で最初に行われたのは、1948年11月20日。その場所が、福岡県北九州市の小倉競輪場です。
75年以上の歴史を持つこの競輪場には、もう一つの唯一性があります。全天候型の「ドームバンク」——屋根に覆われた屋内競輪場であるため、雨・風・日差しの影響を一切受けません。
そしてこのドームという環境が、予想に大きな影響を与えます。カント34°1′48″という急傾斜のバンクにもかかわらず、小倉は逃げの出現率が全国平均より高め。「急カント=追込型有利」という競輪の常識が、無風のドームという条件によって崩れるのです。
GI「競輪祭」の開催地でもあり、競輪ファンにとって特別な重みを持つ競輪場です。
小倉競輪場の基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | 小倉競輪場 |
| 所在地 | 福岡県北九州市小倉北区 |
| バンク周長 | 400m |
| みなし直線 | 56.9m |
| カント傾斜 | 34°1′48″(400mバンク中3番目の急傾斜) |
| バンク形式 | 全天候型ドームバンク(屋内) |
| バック幅員 | 9.0m |
| 主な開催グレード | GI(競輪祭)・FI・FII |
日本初の競輪が開催された歴史

1948年(昭和23年)11月20日、小倉競輪場で日本初の競輪レースが行われました。戦後復興を目的とした公営競技として始まった競輪は、この地から全国に広まっていきました。
現在では全国43か所の競輪場でレースが行われていますが、そのすべての起源がここ小倉にあります。「競輪発祥の地」として場内には記念碑も設置されており、競輪ファンの聖地的な存在です。
歴史の重みに加え、毎年11月には競輪界最高格式レースのひとつ「GI競輪祭」が開催されることから、小倉は競輪カレンダーの中でも特別な位置を占めています。
全天候型ドームバンクの特徴
小倉競輪場は全国でも数少ない屋内競輪場のひとつです。バンク全体が屋根に覆われており、天気に関係なくレースが行われます。
この「ドーム」という環境が、レースの傾向に大きな影響を与えます。
無風が先行選手を助ける
屋外バンクでは、先行選手が最初にコースを切り開いていくため、向かい風の抵抗を真正面から受け続けます。長距離を先頭で走ると後半にスタミナが落ち、後方から来た追込選手に直線で刺される——これが屋外バンクで逃げが難しい理由の一つです。
ところがドームバンクでは風がない。先行選手が向かい風でスタミナを消耗しないため、最後まで脚が残りやすい。結果として逃げ切りのチャンスが、屋外バンクより高まります。
急カントなのに逃げが多い理由
小倉のカント34°1′48″は400mバンクの中で3番目の急傾斜です。同じカントを持つ名古屋(34°1′47″)では逃げが約25%。しかし小倉はドームの無風効果で逃げ率が全国400mバンク平均を上回っています。
同じカント角でも、環境(ドームか屋外か)でこれほど違いが出るのが競輪の面白さです。
決まり手の傾向|ドームで逃げが多め・追込型とのバランス

小倉の決まり手はおおよそ以下のような傾向があります(2020〜2025年S級9車戦、JKA競技データ概算)。
| 決まり手 | 出現率 | 傾向 |
|---|---|---|
| 差し | 約37% | 追込型の中で最多だが全国平均よりやや少なめ |
| 逃げ | 約35% | ドームの無風効果で全国400m平均より高め |
| 捲り | 約27% | 急カントで外仕掛けも届く |
| マーク | 約1% | 2着専用の決まり手(2番手専門の決まり方) |
急カントの影響で追込型(差し・捲り)も64%と高いですが、名古屋(逃げ24.9%)と比べると逃げが大幅に多い。これがドームバンクの特異性です。
GI「競輪祭」について
小倉競輪場では毎年11月に「競輪祭」が開催されます。競輪のGIレースは年間6〜7本が行われますが、競輪祭はそのひとつで、「Keirinグランプリ」(12月・平塚)につながる重要な大会です。
競輪祭はS1・S2班(最高峰クラス)の選手が集まるレースで、賞金獲得数によってグランプリの出場権が争われる時期と重なります。選手たちが本気でぶつかり合う緊張感の高い開催です。
11月に小倉のレースが開催されたら、競輪祭の可能性が高い。WINTICKETで「競輪祭」と検索するとすぐに見つかります。
予想のポイント
ポイント①:逃げ型の選手を過小評価しない
小倉での最大のポイントは「ドームなので逃げ型を軽視しないこと」です。
急カントの競輪場では通常、先行選手が早仕掛けするほど追込選手に捕まりやすくなります。しかし小倉ではドームの無風効果で先行選手のスタミナが落ちにくいため、逃げ切りのパターンが他場より多く発生します。
WINTICKETの出走表で選手をタップすると成績データが確認できます。H回数(ホーム先頭通過=先行型の指標)が多い選手を、他の競輪場より少し高めに評価するのが小倉の基本スタンスです。
ポイント②:追込型も無視しない(差し・捲りで64%)
ただし、差し+捲りを合わせた追込型も64%前後あります。逃げ型だけを軸にするのは過信すぎます。
「逃げ選手が絡むレースで、番手(先行選手の直後を走る2番手選手)の差し型が刺す」という展開も多く、逃げ選手と番手選手のセット買いが有効です。差し型かどうかはWINTICKETの選手成績の「決まり手」欄で確認できます。
ポイント③:雨開催でも予想スタイルを変えなくていい
屋外バンクでは雨の日に路面が濡れてレース傾向が変わることがあります。しかし小倉はドームなので、雨天でも晴天でも条件は同じ。天気予報を確認する必要がなく、バンク特性だけに集中して予想できます。
アクセス・施設情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| アクセス(電車) | JR小倉駅から徒歩または無料送迎バス(開催日) |
| 駐車場 | あり(無料) |
| 入場料 | 一般100円 |
| バンク形式 | 屋内ドーム(天候に関係なく観戦可能) |
JR小倉駅からのアクセスは競輪場の中でも良好な部類。開催日は無料送迎バスも出るため、交通の便は悪くありません。屋内施設なので、雨の日でも快適に観戦できます。
まとめ|小倉競輪場の攻略ポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| バンク特性 | 400m・カント3番目の急傾斜・全天候型ドームバンク |
| 決まり手の傾向 | 差し約37% / 逃げ約35% / 捲り約27%(逃げが全国平均より高め) |
| 予想の軸 | 逃げ型を過小評価しない。番手の差し型とのセット買いも有効 |
| 買い方 | 逃げ選手×番手差し型のワイドが小倉の基本 |
| 見どころ | 毎年11月のGI「競輪祭」・「競輪発祥の地」という歴史 |
「急カントだから追込有利」という競輪の基本知識に、「ドームだから逃げも多い」という小倉特有の補正を加える。この2段構えの理解が小倉攻略の核心です。
競輪を予想し始めると、競輪場ごとに「性格」が全然違うことに気づきます。ドームという唯一の環境が生む小倉の逃げ多めの傾向は、他では学べない面白さです。個人的にも、逃げ選手のオッズが高い日の小倉は、穴を狙えるチャンスだと思っています。
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