競輪場を語るときに「日本唯一」という言葉はよく使われますが、弥彦競輪場には2つの「日本唯一」があります。
1つ目は、日本唯一の村営公営競技場であること。新潟県西蒲原郡弥彦村という、人口8,000人に満たない小さな村が競輪場を運営しています。2つ目は、400mバンクなのにみなし直線が全国2位(63.1m)という異例の長さを持つこと。みなし直線とは、ホームストレッチとバックストレッチの合計距離のことです。
このみなし直線の長さが弥彦を「追込天国」にしています。特にS級9車のレースでは、逃げの1着がわずか8.2%。競輪の基本「先行が有利」をここまで覆す競輪場は全国でも他にありません。
わたなべが弥彦のレースをWINTICKETで初めて見たとき、先行選手が最終直線でことごとく捕まっていくのを見て「こんな競輪場があるのか」と驚いた記憶があります。弥彦は、ライン読みより「誰が後ろから差してくるか」を見極める場所です。
この記事では、弥彦競輪場の設計の特徴から決まり手データ、予想のポイントまで解説します。
弥彦競輪場の基本情報
弥彦競輪場は新潟県西蒲原郡弥彦村に位置する400mバンクの競輪場です。弥彦神社の門前町という観光地の立地で、冬季は豪雪エリアのため開催は春〜秋(おおむね3〜11月)に集中します。
- 所在地: 新潟県西蒲原郡弥彦村大字矢作1番地1
- バンク周長: 400m
- みなし直線: 63.1m(400mバンク中全国2番目に長い)
- カント(傾斜角): 32°24′17″(全国平均とほぼ同等) ※カント=コーナーの傾斜角度
- バンク曲線: マッコーネル緩和曲線
- ナイター: なし(春〜秋のデイ開催)
- 記念競輪: ふるさとカップ(GIII)
アクセスはJR弥彦線「弥彦駅」から徒歩約15分。ただしJR弥彦線の本数が少ないため、弥彦駅・吉田駅・東三条駅などから無料送迎バスが運行されます(開催日のみ)。無料駐車場は1,000台分確保されており、マイカー利用が現実的なアクセス方法です。
日本唯一の村営競技場
弥彦競輪場は、日本で唯一「村」が運営する公営競技場です。通常、競輪場は市や府県が運営するものですが、弥彦村は1950年代から競輪事業を行っており、現在も村の重要な財源の一つとなっています。
人口わずか約8,000人の弥彦村が全国43場の競輪場の一つを運営しているという事実は、競輪ファンの間でも「珍しい場所」として知られています。
また、冬季(12〜2月頃)は豪雪のためレースが行われません。全国の競輪場の中で「冬に開催がない」のは弥彦が代表格で、この季節性も弥彦の個性の一つです。WINTICKETで弥彦のレースを探す際は、春〜秋の開催が前提になります。
400mバンクなのにみなし直線が超長い理由

弥彦競輪場のみなし直線63.1mは、400mバンクの中で全国2番目の長さです(1位はいわき平競輪場の63.7m)。
通常、400mバンクのみなし直線は47〜58m程度。63.1mという数字は500mバンクの前橋競輪場(63.1m)と全く同じで、「400mの外見をした500mバンク的な直線」とも言えます。コーナーをよりタイトに設計することで直線部分を長く確保した構造です。
| 競輪場 | バンク周長 | みなし直線 | 特性 |
|---|---|---|---|
| いわき平 | 400m | 63.7m | 差し最多(400m1位) |
| 弥彦 | 400m | 63.1m | 差し56%・逃げ8%(S級) |
| 松戸 | 400m | 58.9m | 差し有利 |
| 名古屋 | 400m | 58.8m | 差し有利 |
| 取手 | 400m | 54.8m | 標準的 |
| 西武園 | 400m | 47.6m | 番手有利 |
決まり手の傾向|S級9車で逃げ8.2%の衝撃

弥彦競輪場の決まり手データを見ると、その特異性がはっきりわかります。
全体(FI・FII含む)の決まり手
- 差し: 約50.7%
- 捲り: 約26.9%
- 逃げ: 約22.5%
これでも十分「差し傾向」ですが、S級9車(上位グレード)に絞ると数字が一変します。
S級9車の決まり手(衝撃データ)
- 差し: 56.6%
- 捲り: 35.2%
- 逃げ: 8.2%
逃げ8.2%は全国の競輪場の中でも最低クラスの数字です。10レースあれば9レースは差しか捲りで決まる——この言い方をすると、弥彦がいかに特異な場所かが実感できます。
なぜS級になると逃げがさらに減るのか
S級選手は追込型・差し型の実力が高く、長い直線(63.1m)を使って確実に追い込んでくる。一方でFI・FIIでは実力差が大きく先行選手が押し切れるケースも出てくる。S級が揃うほど「弥彦の本来の姿」が出やすくなるのです。
ふるさとカップ(GIII)について
弥彦競輪場では毎年「ふるさとカップ(GIII)」が開催されます。7月前後の開催が多く、新潟・北陸エリアの選手が中心となって地元ラインを形成します。
GIII開催時はS級選手が集まるため、上述の「逃げ8.2%の傾向」がより顕著に出やすくなります。地元・新潟ラインの選手は弥彦を「ホームバンク」として熟知しており、ペース配分を知り尽くした地元追込型選手への信頼度が上がります。
予想のポイント
① 差し型・追込型を1着軸に組む(S級は特に)
弥彦での基本戦略は「差し型選手を1着に置く」ことです。特にS級・GIIIのレースではほぼ鉄則と言えます。
WINTICKETで選手名をタップすると選手詳細画面が開きます。「直近の決まり手」欄に「差し」が多い選手は弥彦との相性が良い。「逃げ」が多い選手は1着予想から外すか、軽く評価するのが基本です。
② 捲り型選手も積極的に評価
S級9車では捲りが35.2%と全国平均より明らかに多い。B回数(バック先頭通過回数=捲り回数の目安)が多い選手は、弥彦では差し型と並ぶ有力候補です。WINTICKETの選手詳細でB回数を確認しましょう。
③ H回数が多い「先行型」は過大評価しない
H回数(ホーム先頭通過回数=先行回数の目安)が多い純粋な先行選手は、弥彦では割引評価が基本です。逃げが8.2%という数字が示す通り、先行しても直線で捕まる確率が高い。
④ ふるさとカップは地元・新潟ラインを重視
GIIIのふるさとカップ開催時は、弥彦を知り尽くした地元選手のアドバンテージが大きくなります。新潟県所属の追込型選手を軸に据えるのが有効です。
弥彦での基本の車券:差し型・捲り型の選手を1着軸に、同ラインの番手または他ラインの差し型をヒモに流すフォーメーション(着順ごとに選手を指定する買い方)が有効です。あくまで参考として、自己責任でお楽しみください。
アクセス・施設情報
アクセス
- JR弥彦線「弥彦駅」から徒歩約15分
- 弥彦駅・吉田駅・東三条駅から無料送迎バス(開催日のみ・本数少)
- 無料駐車場1,000台(マイカー利用が最も便利)
- ※冬季(12〜2月頃)は開催なし
施設情報
- 入場料: 無料(場外発売時)/ 開催日は公式サイトで要確認
- ナイターなし(デイ開催のみ)
- 飲食店: 場内に軽食・飲食スペースあり
- WINTICKETからの利用: オンラインで全国から投票可能
まとめ|弥彦は「差し型・捲り型」を信じる場所
弥彦競輪場は、日本唯一の村営競技場という珍しい背景を持ちながら、そのバンク設計も全国屈指のユニークさを誇ります。
- S級逃げ8.2%:先行型選手を1着から外す。差し型・捲り型(B回数が多い選手)を積極的に軸に
- みなし直線63.1m:400mバンクとは思えない長い直線が差し・捲りを生む構造
- 冬季は開催なし:WINTICKETで予想する際、春〜秋(3〜11月)の開催に限られる
「弥彦で迷ったら、直近の決まり手に差しが多い選手を1着に」という判断基準が機能しやすい場所です。
- 大宮競輪場ガイド:同じく差し55%の関東500mバンク
- 川崎競輪場ガイド:333mバンクで逃げが有利な対極の場
- 競輪予想のコツ完全ガイド:脚質・ライン・バンクを組み合わせた予想術





