競輪場のバンクには「333m・400m・500m」の3種類があります。関東圏で500mバンクを持つ競輪場は、埼玉県の前橋と大宮の2つだけ。大宮競輪場は関東において希少な大型バンクです。
500mバンクの最大の特徴は「直線が長く、後方から差してきやすい」こと。大宮競輪場のみなし直線は66.7mで、これは全国でもトップクラスの長さです。その結果、1着の決まり手で「差し」が約55%を占める「追込天国」となっています。
わたなべが大宮のレースで初めて驚いたのは、「先行した選手がほとんど直線で捕まる」という光景でした。333mバンクの川崎競輪場と見比べると、まるで別のスポーツのように差しが決まる——それが大宮の個性です。
この記事では、大宮競輪場のバンク特性、差しが圧倒的に多い理由、倉茂記念杯(GIII)の特徴、そして予想のポイントまでを解説します。
大宮競輪場の基本情報
大宮競輪場は埼玉県さいたま市大宮区に位置する500mバンクの競輪場です。大宮公園の敷地内にあり、緑豊かな環境の中でレースが行われます。競輪の生みの親とされる倉茂貞助を顕彰する記念競輪「倉茂記念杯(GIII)」の開催地としても知られています。
- 所在地: 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-124
- バンク周長: 500m(関東では前橋競輪場と並ぶ希少な大型バンク)
- みなし直線: 66.7m(全国最長クラス)
- カント(傾斜角): 26°16′40″(緩やか) ※カント=コーナーの傾斜角度。大きいほどコーナーを速く走れる
- バンク曲線: マッコーネル緩和曲線
- ナイター: なし
- 記念競輪: 倉茂記念杯(GIII)
アクセスは東武野田線「大宮公園駅」から徒歩約5分。JR大宮駅西口からはバスまたはタクシーも利用できます。大宮公園の駐車場(無料)も広く、マイカーでのアクセスも便利です。
500mバンクの特徴|なぜ差しが決まりやすいのか

大宮競輪場が「差し天国」と呼ばれる理由は、バンクの設計にあります。
500mバンクの構造的な特徴
競輪場のバンクが大きくなるほど、コーナーの半径が大きくなります(カーブが緩くなる)。カーブが緩いと、外側を走っている選手がコーナーでも速度を維持しやすい。つまり、後方から外を通って捲り・差しを仕掛けてくる選手が有利になるのです。
大宮競輪場のカントは26°16′40″で、全国的にも緩めの数値。関東の400mバンク(取手31°30′、西武園29°27′など)と比べても、コーナーが格段に走りやすい設計です。
さらに、みなし直線66.7mという長さが追い打ちをかけます。直線が長いほど、後方の選手がスパートをかける距離が長く確保される。前を走る選手にとっては「追ってくる選手が止まってくれない」という過酷な状況になります。
| 競輪場 | バンク周長 | みなし直線 | 特性 |
|---|---|---|---|
| 大宮 | 500m | 66.7m | 差し55%・追込天国 |
| 前橋 | 500m | 63.1m | 差し45%・捲り多め |
| 松戸 | 400m | 58.9m | 差し有利 |
| 取手 | 400m | 54.8m | 標準的 |
| 川崎 | 333m | 56.0m | 逃げ有利 |
決まり手の傾向|差し55%・逃げ選手の受難

大宮競輪場の決まり手傾向はこうなっています。
- 差し: 約55%
- 捲り: 約24%
- 逃げ: 約21%
差しが55%というのは、全国の競輪場でもトップクラスの数字です。逃げ(先行して逃げ切る)がわずか21%というのは、同じ500mバンクの前橋(逃げ約15%)に次ぐ低さ。大宮では「先行=有利」という競輪の基本概念が大きく崩れます。
なぜ逃げが決まらないか
先行選手がバック(2コーナー〜3コーナー間)で先頭を通過しても、みなし直線の66.7mが待ち構えています。後ろの差し・追込型選手は十分な助走距離を使ってスパートを開始。先行選手は消耗した体でこの長い直線を逃げ切らなければならない——これが大宮で逃げが決まりにくい構造です。
倉茂記念杯(GIII)について
大宮競輪場では毎年「倉茂記念杯(GIII)」が開催されます。1月頃に行われることが多い、年明け最初の記念競輪の一つです。
倉茂貞助は、1948年に小倉競輪場で日本初の競輪を成功させた「競輪の父」とも呼ばれる人物。その功績を称えた記念競輪が大宮で開催されてきた歴史があります。
記念競輪(GIII)は通常のFI・FIIよりもS級選手が増え、ライン構成やレース展開が変わります。関東・東北の有力選手が多く参加するため、地元埼玉ラインへの注目度が高まります。
大宮公園の環境と風の影響
大宮競輪場は大宮公園の木々に囲まれた環境にあります。取手競輪場(利根川の風)や平塚競輪場(海風)ほど顕著ではないものの、季節によって風向きが変化します。
特に春先〜初夏の南風や秋の北風が吹くと、バックストレッチ(2〜3コーナー間)を走る選手に影響が出ることがあります。ただし木々に囲まれているため風の直撃を受けにくく、取手の向かい風ほど予想に直結する影響はないとわたなべは感じています。レース当日の天気は参考程度にチェックする程度でよいでしょう。
予想のポイント
① 差し型・追込型の選手を積極的に評価する
大宮での予想で最も重要なのは脚質(きゃくしつ)=選手の走り方タイプの評価です。差し・追込型(脚を温存して直線で一気に差す)の選手を軸に据えましょう。
WINTICKETで選手名をタップすると「H回数(ホーム先頭通過回数)」「B回数(バック先頭通過回数)」が確認できます。
- H回数が多い選手 → 先行型(逃げる選手)。大宮では割引気味に評価
- B回数が多い選手 → 捲り型。大宮では有力候補に
- 決まり手に「差し」が多い選手 → 追込型。大宮では最も信頼できる
② 強いラインの後方選手を軽視しない
大宮では「ラインの1番手(先頭)が逃げ切れない」ケースが多い。ラインの2番手・3番手がそのまま上位に来る展開が他の競輪場より頻繁に起きます。3連単のフォーメーションを組む際、強いラインの後方選手を3着以内の候補に積極的に入れましょう。
③ 逃げ選手を1着予想から外してみる
競輪の基本は「先行した選手が有利」ですが、大宮では通用しません。H回数が多い純粋な先行型の選手を1着予想から外し、差し型・番手の選手を1着に据える買い方が大宮では機能しやすいです。
④ 記念(倉茂記念杯)は関東の有力ラインを重視
GIII開催時はS級選手が集まり、関東・東北のライン対決が激化します。地元埼玉ラインや関東の強豪ラインに注目して、ライン全体の戦力を評価しましょう。
大宮での基本の車券:差し型・追込型の選手を1着軸に、同ラインの番手または他ラインの差し型をヒモに組む流しかフォーメーション。3連単は差し型1着から後続の差し型・捲り型へ流す形が有効です。あくまで参考として、自己責任でお楽しみください。
アクセス・施設情報
アクセス
- 東武野田線(東武アーバンパークライン)「大宮公園駅」から徒歩約5分
- JR大宮駅西口からバスまたはタクシーで約10分
- 無料駐車場あり(大宮公園内)
施設情報
- 入場料: 無料(場外発売時)/ 開催日は公式サイトで要確認
- ナイターなし(デイ開催が中心)
- 飲食店: 場内に軽食・飲食スペースあり
- WINTICKETからの利用: オンラインで全国から投票可能
まとめ|大宮で迷ったら「差し型」を信じよう
大宮競輪場は、関東で前橋と並ぶ希少な500mバンクです。みなし直線66.7mという長さが、差し選手を圧倒的に有利にします。
- 差し55%:差し・追込型の選手を1着軸に。H回数が多い純粋先行型は1着から外す
- 後方選手を軽視しない:強いラインの2番手・3番手も上位候補に入れる
- ライン全体の力を見る:先頭が逃げられなくても後続がフォローする展開が多い
「大宮で迷ったら、差し型・追込型の選手から攻める」というのが基本戦略です。逃げが苦手な競輪場だからこそ、その法則を知っているだけで予想の軸がブレにくくなります。
- 前橋競輪場ガイド:同じ500mバンクで捲りが多い群馬の競輪場
- 川崎競輪場ガイド:333mバンクで逃げが有利な対極の競輪場
- 競輪予想のコツ完全ガイド:脚質・ライン・バンクを組み合わせた予想術





